治験というのは、開発された新薬を人間に使用して、その安全性や効果を確かめていく臨床試験ですが、この現場でも看護師は活躍しています。そこで、治験現場での看護師の業務内容やメリットについて見ていきましょう。まず、看護師が治験で担当する仕事は、治験コーディネーターか臨床開発モニター、いずれかが主なものとなります。いずれの業務も必ずしも看護師資格が求められるわけではありませんが、これまでの経験やスキルを活かすことができることから、看護師からの転職組も多く存在するようです。
治験コーディネーターの勤務先は、治験を実施している機関、あるいは一般企業でも治験施設支援機関を持っているところなどです。仕事内容はデータ管理や書類作成、医師や薬剤師などとの連絡調整業務など実務でのサポートとなり、患者への説明および精神的ケアも含みます。臨床開発モニターは、製薬会社や開発受託機関などで、治験が適切な手順に則り正しくおこなわれているかを確認する仕事です。そしてモニタリングの結果報告書を作成し、医師やコーディネーターの報告書の不備をチェックする業務も含みます。
治験で看護師としてはたらくメリットは、まず夜勤がないという点が挙げられます。勤務先のほとんどが一般企業のため、日勤での仕事がメインとなります。ただし、臨床開発モニターの場合は数日の出張がある場合もあります。次のメリットとしては、給与が高めであるという点です。もちろん転職してすぐは年収が下がる可能性はありますが、5年位勤務すれば日勤のみでも夜勤ありの看護師と同水準の収入が得られるとされています。特に、外資系製薬会社で実績を積み役職に就くと、かなりの高収入が得られるケースもあるようです。